
福祉労働編集委員会 編
定価 1200円+税
判型 A5判 並製
頁数 164ページ
装幀 杉本 和秀
発売 2012年9月25日
ISBN 978-4-7684-2336-3
【内容】
暴力や性的虐待、労働搾取、年金詐取など社会問題化した事件だけでなく、日常生活に潜在する精神的虐待やネグレクト、「しつけ」「教育」「訓練」の名の下での虐待を明らかにし、虐待防止と被害者支援のための仕組みを考える。
[著者紹介・編集担当者より]
閉ざされた力関係の不均衡な構造の中では、どうしても虐待は置きやすい。いじめの問題もそうだが、虐待されている当事者は助けを求めることすらできずにいる。排除され、隔離され、孤立させられている存在にいかに有効な支援を届け、当事者のエンパワメントにつなげられるか。(猫)
【主要目次】
特集 障害者虐待防止法と権利擁護
障害者虐待防止法成立の背景と概要 曽根直樹
障害者権利条約と障害者虐待防止法 池原毅和
障害者虐待防止センターの役割 佐藤彰一
障害者虐待をなくすために私たちは何が求められているのか 副島洋明
当事者による権利擁護活動から――施行される障害者虐待防止法と地域活動 佐野武和
大橋製作所事件の背景と、民事訴訟を通して培ったこと 米田真理子
精神科病院での権利擁護者制度を考える 山本深雪
虐待を生みやすい特殊な環境――私が体験した養護学校での生活 木村俊彦
成年後見人は必要か――本人意思を無視しうる現行成年後見制度の抜本的見直しを 西 定春
精神障害者グループホームでの虐待防止 東谷幸政
給食指導における厳罰という虐待 山本勝美
現場からのレポート
差別禁止部会、大詰め――ワンステップへ、求められる大きな運動 太田修平
「第二十八回DPI日本会議全国集会inさいたま」の報告 松本あすか
原則インクルーシブでもなく、選択でもなく、「総合的な判断」!?
――文科省の障害のある子どもの就学先決定の仕組み改正案 一木玲子
季節風
福山・成年後見人事件の結末――家庭裁判所の過失を認める 池田直樹
障害学の世界から
ミャンマーの知的障害者本人活動の動き 長瀬 修
障害者の権利条約とアジアの障害者
権利の推進――政治参加 中西由起子
論文
戦後障害者運動史再考 (下)――「青い芝の会」の「行動綱領」についてのノート 荒井裕樹