
福祉労働編集委員会 編
定価 1200円+税
判型 A5判 並製
頁数 180ページ
装幀 杉本 和秀
発売 2018年12月25日
ISBN 978-4-7684-2361-5
【内容】
障害者は、メディア・文化の中でどのように描かれてきたか。「恐怖と憐憫の対象」「障害を克服し、頑張るけなげな存在」、そしてパラアスリートのように「人々に勇気と感動とを与える存在」への変化を検証し、障害者の日常のリアルとの乖離がどこから生じるのか、様々な分野から追究する。
【目次】
特集「感動ポルノ」――障害者は健常者に感動を与える存在か
文化・メディアにおける障害者表象をめぐって
好井裕明
日本文学に描かれた障害者像――「がんばる健気な障害者」はどこから来たのか
荒井裕樹
「障害者×感動」の方程式の嘘っぽさ――日常の等身大の障害者とのギャップへの問題提起
玉木幸則
「アルビノは美しい」って言っちゃダメなの?
矢吹康夫
オリンピックとパラリンピックを根本から問い直す――スポーツの現実を直視しても、感動しなければいけませんか?
岡崎 勝
パラリンピックでまき散らされるパラアスリート像は障害者理解を広げるか
北村小夜
道徳教科書における障害者像――差別・偏見を助長する「特別の教科 道徳」
宮澤弘道
祭りの輪の外で――入所施設と地域交流の欺瞞とお仕着せの共生社会
平野泰史
分離と交流の狭間で生ずる交流のぎこちなさ――「クラスにいる障害者」から「共に学ぶ友人」へ
川合千那未
【コラム】「格闘技やってます!」をフックに障害者レスラーが伝えたいこと
鶴園 誠
【コラム】言葉のいと
桂 福点
インターチェンジ 交差点
教室の窓 共に学び続けるために 押部香織
街に生きて 反面教師 実方裕二
保育所の庭 障がい児と共に 芝木捷子
施設から ホームN通信・四回目の誕生日① 佐藤陽一
障害学の世界から 第八十一回
障害学国際セミナー二〇一八――台湾で「遊び」を論じる
長瀬 修
障害者の権利条約とアジアの障害者 第三十二回
権利条約の政府報告⑦ 第二十四条 教育
中西由起子
季節風
不適切算入問題を機に、公務労働における障害者雇用を考える
栗原 久
吹田市の「塩田裁判」報告――成年後見制度の欠格条項で失職
片岡次雄
キャッシュカードは突然に――言葉でコミュニケーションしない人の意思確認とは
矢作美恵子
社会を変える対話──優生思想を遊歩する
優生思想を超えていく仲間として ~アイヌ民族~
結城幸司×安積遊歩
現場からのレポート
保護者の意向に反して特別支援学校を就学強制できるか――川崎医療的ケア児の就学裁判から
大谷恭子
優生保護法下の強制不妊手術問題に挑んで――最前線からの報告(その二)
山本勝美
災害大国日本、なぜ障害者の支援は進まないのか?
八幡隆司
論文
生活保護制度とその運用の在り方に対する問題提起――ニュージーランドの社会保障制度との比較から(下)木本 明