
神田順 著
定価 1700円+税
判型 四六判変型 並製
頁数 184ページ
装幀 伊藤滋章
発売 2021年2月2日
ISBN 978-4-7684-5894-5
【内容】
建物の耐震性や構造安全性の専門家として名高い著者は、建築の世界を志して以来、一貫してスクラップアンドビルドではなくストックを活用するまちづくりを提唱し続けてきた。
本書の特徴の一つとして、著者の言葉の端々に「一人ひとりの生活への想像力」が滲んでいることが挙げられる。そのような姿勢は、一体どのように涵養されてきたのだろうか?
転機となった東大闘争、世界的な経済学者・宇沢弘文氏が唱えた「社会的共通資本」の理論が神田氏の建築思想に与えた影響などにも迫る。また、東日本大震災の発生直後から関わる岩手県釜石市の漁村集落での復興プロジェクトを通して得た豊富な知見も収録。
くらしと地域に根ざした持続可能な建築と社会のあり方と、地震大国に即したまちづくりモデルを提示します!
【著者紹介】
神田 順(カンダ・ジュン)
東京大学名誉教授。日本大学理工学部客員教授。1947年、岐阜県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。修士課程修了後、竹中工務店で構造設計業務に従事。1979年、エディンバラ大学PhD取得。東京大学工学部教授、同大学新領域創成科学研究科教授などを歴任。2003年より建築基本法制定準備会会長。著書『耐震建築の考え方』(岩波書店)、『安全な建物とは何か』(技術評論社)、『建築構造計画概論』(共立出版)など。
【目次】
第1章 人間の生き方を法律が決めてよいのか
第2章 「建築基準法」から「建築基本法」へ
第3章 一人ひとりの生活のための建築――その思想の源流
第4章 阪神・淡路大震災の衝撃
第5章 耐震偽装問題とは何だったのか
第6章 原点としての東日本大震災――釜石市唐丹(とうに)町の復興プロジェクト
第7章 建築教育の役割と小学校の可能性
第8章 まちづくりと民主主義