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生命(いのち)の谺(こだま) 川端康成と「特攻」

2,970円

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【第35回 和辻哲郎文化賞(一般部門)受賞!】 多胡吉郎 著 定価 2700円+税 判型 四六判 上製 頁数 344ページ 装幀 大森裕二 発売 2022年2月18日 ISBN978-4-7684-5916-4 C0095 【内容】 1945年4月、川端康成は鹿児島県鹿屋の特攻基地に降り立った。 没後50年、初めて問われる文豪の「特攻」体験。 1972年4月16日に川端康成が没してから、2022年の春で50年の月日が流れたことになる。誰もが知るノーベル賞作家だが、1945年4月~5月、海軍報道班員として鹿児島県・鹿屋(かのや)の特攻基地に滞在していたことを知る人は少ない。著者は、川端が抱えた哀しみの根に、「特攻」体験がどう関わるのか、現地に赴き詳細な調査を行った。川端が滞在した一ヵ月の間に、鹿屋から飛び立ち、散華した特攻隊員たちの具体的な人となりについても取材し、彼らとの出会いと別れが戦後の川端文学に及ぼした影響を深掘りする。師友・三島由紀夫との亀裂の淵源が「特攻観」を巡る対立にあったことなど、没後半世紀にして初めて明かされる真実を濃やかな筆致で綴る。 【主要目次】 第一章 赤い靴を履いた海軍少佐 第二章 私信が語る川端の「特攻」体験 第三章 記録、証言に見る報道班員・川端康成 第四章 特攻の町、鹿屋 第五章 『英霊の遺文』 第六章 川端が出会った特攻隊員たち その一 第七章 川端が出会った特攻隊員たち その二 第八章 『生命の樹』 第九章 「特攻」体験から『生命の樹』へ 第十章 「特攻」体験の揺曳~『虹いくたび』を中心に~ 第十一章 再びの鹿屋、忍び寄る「特攻」 第十二章 「特攻」に死す。三島由紀夫との葛藤 第十三章 生と死の坩堝に 【著者紹介】 多胡吉郎(たご・きちろう) 作家。1956年生まれ。東京大学文学部国文学科卒。1980年、NHK入局。ディレクター、プロデューサーとして多くの番組を手がける。ロンドン勤務を最後に2002年に独立、英国を拠点に文筆の道に入る。2009年に帰国、活動拠点を日本に移す。主な作品に、『吾輩はロンドンである』(文藝春秋)、『スコットランドの漱石』(文春新書)、『リリー、モーツァルトを弾いて下さい』(河出書房新社)、『わたしの歌を、あなたに~柳兼子、絶唱の朝鮮~』(河出書房新社)、『長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ~海を越え、地に熟し~』(現代書館)、『漱石とホームズのロンドン~文豪と名探偵百年の物語~』(現代書館)、『生命の詩人・尹東柱~『空と風と星と詩』誕生の秘蹟~』(影書房)、『空の神様けむいので~ラスト・プリンセス徳恵翁主の真実~』(影書房)その他がある。

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