
太田匡彦・北上田剛・鈴木彩子 著
定価 1800円+税
判型 四六判 並製
頁数 208ページ
装幀 伊藤滋章
発売 2022年3月16日
ISBN978-4-7684-5917-1
C0045
【内容】
日本初の動物園として開園した上野動物園は2022年3月20日、140周年を迎えます。現在、動物園で生まれて祝福されるのも束の間、様々な事情から飼いきれなくなって、園外へと運び出されていく動物がたくさんいます。いったい日本の動物園では何が起きているのか? 本書では、大量の公文書のなかに動物たちの移動を追い、北は北海道から南は鹿児島まで全国の動物園を取材し、日本の動物園の「いま」を浮き彫りにします。
「余剰動物」たちが「動物交換」によって通貨のように扱われている現実をあぶり出し、動物商というビジネスの内幕や、日本の動物福祉の実情についても深掘りしています。
【主要目次】
第1章 余る動物――ライオンは「猫より安い」
第2章 商われる動物――動物交換、転売の末、死に追い込まれたシマウマ
第3章 日本が「レッサーパンダ王国」になった理由――マッチングされる動物
第4章 動物たちの「苦痛」を軽減するために――急がれる動物福祉の充実
第5章 自然環境や野生動物を守るため、動物園にできること
第6章 そもそも動物園は必要なのか?――岐路に立つ「動物園大国」
【著者紹介】
太田匡彦(おおた・まさひこ)
同業他社を経て2001年朝日新聞社に入社。東京経済部で流通業界などの取材を担当した後、AERA編集部在籍中の2008年に犬の殺処分問題の取材を始めた。著書に『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』(朝日文庫)、『「奴隷」になった犬、そして猫』(朝日新聞出版)、共著に『動物のいのちを考える』?(朔北社)など。
北上田剛(きたうえだ・ごう)
同業他社を経て2007年朝日新聞社に入社。大阪社会部や名古屋報道センター、東京特別報道部などで取材。かつてヘルパーの仕事をしていたことがあり、福祉分野に関心がある。
鈴木彩子(すずき・あやこ)
2003年に朝日新聞社入社。科学医療部で自然災害や環境問題、身近な病気や健康の話題を取材してきた。動物園は「いちユーザー」だったが、地球を考える場としての奥深さをあらためて実感した。