
田村彦志 著
定価 2200円+税
判型 四六判 並製
頁数 240ページ
装幀 大森裕二
発売 2022年11月7日
【内容】
地域に根差した通信部記者の取材が結実!
毎日新聞秋田支局で特約通信員として活躍する田村彦志記者。
生まれ育った秋田の県北部を拠点に、白神山地のブナ林、忠犬ハチ公伝説、秋田内陸縦貫鉄道の小史、合併で揉める市町村、日本中部地震及び東日本大震災と、地域に密着した取材を半世紀にわたって続けてきた。
新聞社の「毛細血管」を自負し、生活者としての目線と、「あいつに書かれたら仕方がない」と周囲に納得される記事を書かなければという責任感を背負って書き続けた渾身の文章から、メディアが本来担うべき役割が浮かび上がる。
毎日新聞の工藤哲氏による解説も読みどころの一つ。
以下に解説の一部を抜粋する。
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田村さんは七十歳の今も、現場にこだわる現役記者だ。新聞社に勤める人の中で、七十歳まで記者を続けられる人はごく一部に限られる。
田村さんは、長年続けて来られた原動力について「原点」と「好奇心」を挙げている。これまでの記者生活はきっと山あり谷ありで、常に順調だったわけでは決してなかったと思う。
私が横で見ていて考えさせられるのは、つまり「志」だ。物事に取り組むうえで最も大切なことは、これに尽きるのかもしれない。
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【主要目次】
はじめに 秋田県北部を取材する「通信部記者」
序章 秋田の事情と私の生い立ち
第1章 「全国ニュース」になった秋田県北
第2章 移りゆく産業
第3章 忘れがたい出来事
第4章 出会った人たち
第5章 自治体騒動記
第6章 「生涯一記者」
解説 刊行にあたって:工藤哲(毎日新聞記者)
【著者紹介】
田村彦志(たむら・ひこし)
1951年、秋田県旧二ツ井町(現能代市)生まれ。
1973年に北羽新報社(能代市)に入社。大館支社報道部長、二ツ井支局長、整理部次長をへて2000年に毎日新聞社に転籍。
能代通信部長を長年務め、2020年から秋田支局特約通信員。
北羽新報時代には国有林を題材に執筆した『林野の叫び』(日本林業調査会)、揺れる鉱山地帯を取材した『よみがえれ北鹿』(大館新報社編)などを出版。
2017年、主に地方で長く取材に励み、優れた地域報道に取り組んだ毎日新聞記者に贈られる「やまなみ賞」を受賞。