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荒泰人 著
定価 2000円+税
判型 四六判 並製
頁数 352ページ
装幀 大森裕二
発売 2024年6月19日
ISBN 978-4-7684-5958-4
【内容】
既存の解釈をひっくり返すスリリングな読み解き
夏目漱石の『こころ』は、「人間の葛藤とエゴイズム」を描いた名作、あるいは明治天皇の崩御と乃木大将の「殉死」と呼応する作品として文学史に登場する。だが、「先生の苦しみと死」は、それほど純粋で無垢なものとして作中に描かれているのだろうか? 「葛藤している人物/エゴイズムに苦しむ人物」のように見える「先生」、あなたは何ゆえ苦しかったのですか?「先生」、あなたの死はほんとうに「殉死」だったのですか?「先生」、あなたは何を隠していたのですか? 目を覆いたくなるような「先生」のほんとうの「こころ」を、しつこく緻密な読み解きによって明らかにする。
「先生」、あなたは何か隠していませんか?
【主要目次】
序 章 「漱石コード」について
第一章 静の特色 婚約は「極りが悪い」
第二章 「私」の恋と直覚
第三章 先生の噓 偽善こそ罪
第四章 Kの復讐を証言しないM、反解による誤読
第五章 殉死は無論笑談
第六章 泥棒団事件と金之助
第七章 文学の大目的と戦争の評価
【著者紹介】
荒 泰人(あら・たいと)
秋田県羽後町西馬音内出身。1951年生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。2013年より夏目漱石『こころ』の解読に取り組みはじめる。2009年~2022年、荒泰二というペンネームで未来短歌会の会員として短歌を作る。