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多胡吉郎 著
定価 2700円+税
判型 四六判 上製
頁数 312ページ
装幀 大森裕二
発売 2024年9月17日
ISBN 978-4-7684-5965-2
【内容】
森鷗外の遺品がつないだ、日本と台湾「もうひとつの絆」
森鷗外の長男・於菟の台北帝国大学医学部教授就任に伴い、鷗外の遺品は台湾に運ばれた。異郷の地で、鷗外の遺品と向き合いながら、於菟は日本人と台湾人を分け隔てることなく人々と接し、台湾医学の発展に多大な貢献を果たす。敗戦時、於菟は鷗外の遺品を台湾に置いて帰国せざるを得なかったが、後年、台湾人の無償の尽力によって日本への返還が実現。本書では、台湾取材を含む綿密な調査を基に、鷗外の遺品がつないだ日本と台湾を結ぶ心の架け橋を描く。
国家や民族を超え、こだまし合う鷗外の余香……。
【主要目次】
プロローグ 『天寵』の画家・宮芳平の絵
第一章 森於菟の孤独
第二章 新天地、台湾へ
第三章 観潮楼焼失~台湾の於菟 その一~
第四章 「後端」に生きて~台湾の於菟 その二~
第五章 敗戦前後~台湾の於菟 その三~
第六章 森於菟の帰国
第七章 台湾に残された鷗外の遺品
第八章 時はめぐり~最後の遺品返還~
エピローグ 二〇二三年十二月・台湾
【著者紹介】
多胡吉郎(たご・きちろう)
作家。1956年生まれ。東京大学文学部国文学科卒。NHKでのディレクター、プロデューサー経験を経て、2002年に独立、文筆の道に入る。主な著書に、『スコットランドの漱石』(文春新書)、『リリー、モーツァルトを弾いて下さい』(河出書房新社)、『長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ~海を越え、地に熟し~』(現代書館)、『猫を描く~古今東西、画家たちの猫愛の物語~』(現代書館)その他がある。
2023年、『生命の谺 川端康成と「特攻」』(現代書館)により、第35回和辻哲郎文化賞を受賞。