
村中憲二 著
定価 4500円+税
判型 A5判 並製
頁数 448ページ
装丁 スープレックス
発売 2024年10月10日
ISBN 978-4-7684-5967-6
【内容】
約2万8千もの暖簾紋が雄弁に物語る各企業の創業ヒストリー!
江戸時代、武士は家名と家紋で自らを表したが、家名の名乗りを許されない商人や職人は店の名称である屋号と店の紋章である暖簾で自らを表した。暖簾は、その店が存在を知られ、信用されていること、その背景にある文化、ブランド力とも言えるだろう。本書では、「屋号」と「暖簾紋」の生まれた歴史的経緯にスポットをあて、創業者の想い、経営哲学、各企業がどのように時代に寄り添い生き抜いたかを徹底的に調べた。各地で作られた商家の案内本から約2万8千点の暖簾紋を採取、分類して深掘りした日本資本主義発展史!
【主要目次】
はじめに 商人の信用を表した「暖簾」という価値観
第一章 暖簾紋の成り立ちと江戸時代の買物案内に見る全体像
暖簾は日本のオリジナル文化
江戸期の「暖簾紋」の全体像を把握できる史料がある
家紋と暖簾紋では、使用される意匠が異なる
暖簾紋の不思議
第二章 大企業グループと百貨店は暖簾紋を重視した
三大企業グループのマークは暖簾紋が生きている
デパートは、創業当時の暖簾紋を大事に使っていた
第三章 商人に人気の山形紋と曲尺紋
神聖な形の「山形」に文字を組み合わせた紋章
寸法を測り、堅いイメージの「曲尺」紋は、商人に大人気
第四章 もっとも種類が多い植物の紋章
国の紋章も内閣の紋章も植物由来
吉祥の紋章、松竹梅
第五章 鳥、昆虫、伝説の霊獣まで、幅広い動物の紋章
鳥と昆虫が多い動物紋
瑞祥を表す空想上の霊獣、めでたい神
第六章 自然を敬う紋章、霊験を願う文様、器物や建物の紋章
信仰心を背景にした自然紋
古くから使われた図形が多い文様紋・図譜・源氏香
身の回りのあらゆる〝モノ”が意匠となる、器物紋・建造物紋
第七章 特性が付加された紋章、文字を使った紋章
屋号の読みと一致する暖簾紋
文字を使用する紋章
出版という新しい産業、版元の紋章
第八章 暖簾分けで変化していく紋章
暖簾分けと暖簾紋の関係
主要な参考資料
後書きにかえて
索引
【著者紹介】
村中憲二(むらなか・けんじ)
1950年山口県生。法政大学卒業。出版社勤務後、編集プロダクションを設立し、『わたしの藤沢周平』(文春文庫)等を編集・執筆。『家紋の本』(宝島社)も編集統括。社史『太陽ホールディングス60年史』で日本経営史研究所主催の優秀会社史賞を受賞。