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鈴木 良 著
定価 5500円+税
判型 A5判 上製
頁数 496ページ
装幀 矢萩多聞
発売 2025年2月17日
ISBN 978-4-7684-3610-3
【内容】
日本では、重度訪問介護制度の充実・診療報酬の改定など、障害者支援に関する制度が整備され、脱施設化に向けた制度が整いつつあるものの、いまだ多くの障害者が施設入所しているという現実がある。そしてそのうち多くを占めるのが、知的障害者である。
本書は、2000年代初期の障害者自立支援法制定期の歴史的・制度的構造において、社会福祉法人によってどのように知的障害者入所施設閉鎖の実践が行われ、その結果、施設を規定する自立規範はどのように変容し、再編されたのかを、北海道における施設解体の取り組みを丹念に追って、そのエスノグラフィから明らかにしたものである。
入所施設及びグループホーム制度の根底にある知的障害者観/処遇観の影響を受けながら、なぜ/どのように施設閉鎖が行われたのか、地域移行や地域生活がどのように行われてきたのか、ということを知的障害者本人・家族・職員・行政など関係者の相互作用過程から解明を行う。
【主要目次】
序章 研究の視点と問い
第1部 居住支援政策における知的障害者観/処遇観
第2部 施設入所と施設生活
第3部 施設閉鎖の背景と方法
第4部 地域移行と地域生活
終章 研究の意義と示唆
【著者紹介】
鈴木 良(すずき・りょう)
同志社大学社会学部社会福祉学科・教授。慶應義塾大学総合政策学部卒業。立教大学大学院コミュニティ福祉学研究科博士課程満期退学。2009年、「知的障害者の地域移行と地域生活」によって立教大学博士号を取得。著書『知的障害者の地域移行と地域生活――自己と相互作用秩序の障害学』『脱施設化と個別化給付――カナダにおける知的障害福祉の変革過程』(ともに現代書館)など。